東洋医学では、人間の身体に何本もの「経絡(けいらく)」が流れており、その流れの上に「経穴(けいけつ)」、つまりツボが点在します。
そして、人の手首・足首には重要なツボが多数存在します。
ツボの場所を把握し、活用できれば、痛みや不調を自身で改善できるようになるでしょう。
今回は、手首にある2つのツボを紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
手首の親指側にある「陽渓(ようけい)」
手首のシワのライン上の親指側にあるツボが「陽渓(ようけい)」です。
「手の陽明大腸経」という経絡に属するツボで、耳鳴りや首の痛みに効果があります。
親指を外側に動かすと「タバコ窩(か)」というくぼみが現れます。
このくぼみを目安にしてみて下さい。
手首の小指側にある「陽谷(ようこく)」
続いて、手首のシワのライン上で小指側にあるツボが「陽谷(ようこく)」です。
「手の太陽小腸経」という経絡に属するツボで、関節リウマチや頭痛などに効果があります。
「陽渓」と「陽谷」は字が似ているように、いずれも手首のシワのライン上に存在します。
「腕時計をはめるラインの親指側と小指側」と覚えてみて下さい。
手首のツボを押すと痛い理由
この「陽渓」と「陽谷」をはじめ、手首のツボを押すと、けっこう痛いです。
ではなぜ痛いのでしょうか?2つの理由が考えられます。
①日常生活で負担がかかっているから
手首というのは、長時間パソコンで作業した時や、重いものを持ち続けた時、そしてスポーツをした際に痛めやすいです。
何かと負担がかかりやすく、一度痛めたりすると治りにくいもの。
ツボを押して痛いのも無理はありません。
②内臓が疲れているから
そしてもう一つは、「内臓の不調」です。
さきほどお話したように、手首の周りには大事なツボが集まっています。
そのうえで、内臓が疲れていると手首にあるツボが痛く感じることがあります。
逆に言うと、手首周りのツボを刺激することで、内臓の疲れや不調の改善が期待できるでしょう。
「陽渓」「陽谷」を使った手首の運動法
ではここで、「陽渓」と「陽谷」を使った手首の運動をご紹介します。
手首が痛い時や、肩こりが治らない時、手の冷え性が改善しない時にぜひ実践してみてください。
やり方は簡単です。
まず片方の手で、反対側の手首を挟むようにして陽渓と陽谷を押します。
そこから、挟まれた手首を上下に動かすだけです。
30秒ほど行ってみて下さい。
指先まで温かくなったら、効果が現れ始めている証拠です。
もう一つ、運動法をご紹介します。
次は「陽渓」を使った運動です。
まず片方の手の親指で、反対側の陽渓を押します。
先述したように、親指を外側に開いた時に現れるくぼみを捉えましょう。
その状態で、「グー、パー」と手を開閉します。
これも30秒ほどゆっくり続けてみましょう。
手の指先まで温かくなったり、神経が「ビーン」と刺激されるかもしれません。
また顔の方まで温かくなる場合もあります。
手首は何かと疲れるので労ってあげましょう
今回は、手首にある「陽渓」「陽谷」というツボを紹介しました。
比較的位置も分かりやすいはずなので、ぜひ空いた時間を使って刺激してみて欲しいです。
手首は何かと疲れますし、たまにはご自身で労ってあげてみてはいかがでしょうか。