おはようございます。
武蔵野市の出張鍼灸師・藤澤です。
いきなりですが、「好きなドラマ」ってありますか?
私は「下町ロケット」が好きです!
佃製作所という大田区の中小企業が、技術力を武器に大企業と戦う物語。
TBSとWOWOWでドラマ化されました。
何度も見ても面白い、心が動く作品です。
今日は、そんな「高い製造技術」も関係してくる話です。
少し前に、鍼が痛くない理由についてお話させて頂きました。
術者の「押し手」で切皮痛を抑える、という内容です。
今回は「鍼」そのものから、痛くない理由をお話しますね。
痛さを感じないような形状になっている
実際に鍼施術を受けて頂くと分かるのですが、鍼を身体に刺入しても、ほぼ感覚がありません。
術者が鍼管(鍼を包むプラスチック製の筒)を叩く「トントン」という感覚しか分からない場合がほとんどです。
もちろん例外はありますが、一般の人が思うような激痛はないと言えるでしょう。
秘密は、鍼先の形状です。
現在多く使用されているのは「改良松葉型」という形式で、要は鍼の先端が丸くなっています。
もちろん肉眼では確認できません。
丸いということは、痛くないんだろうなと容易に想像がつきますよね。
注射針とは目的が全く異なる
よく鍼灸の「鍼」と、注射の「針」を混同されます。
どちらも「はり」ですが、目的が全く異なります。
注射の目的は、血液を吸い出すこと。
だから針もぶっとく、中央が空洞になっています。
そりゃチクッとなりますし、苦手意識が芽生えるのも無理はありません。

個人差がありますから一概には言えませんが、注射針とは全く別物だと認識して頂きたいです。
でなければ、美容のために顔面に何十本も鍼を刺せませんよね。

精巧な鍼を生み出す高い製造技術
鍼の形状は進化を続けています。
昔の鍼に比べ、現在の鍼はより痛さを感じない形状になっています。
そんな精巧な鍼を生めるのは、高い製造技術があるからに他なりません。
専門学校の3年時の夏休み、鍼を製造する工場を見学したことがあります。
もちろん一人で行ったんじゃないですよ(笑)
有志何人かで、静岡県浜松市にある「セイリン」という会社の工場に行きました。
製造工程を一から見させて頂き、いかに精巧に造られているかが分かりました。
・いかに患者にとって心地よい鍼にするか
・術者にとって、いかに使いやすい鍼にするか
患者と施術者、それぞれの目線からより良い鍼を製造する。
技術者の「誇り」「プライド」を感じずにはいられません。
もう、私が言いたいことは分かるかもしれませんが…。
「下町ロケット」の世界そのものでした!
まさに、世界に通用する技術ですね。
セイリンさんでは、先述の「改良松葉型」から、さらに先端を丸くした「JSP」という形状を造りました。
これからも鍼の形状はどんどん進化して、より心地よい施術が実現可能になるでしょう。
今回は形状や製造技術から、鍼が痛くない理由をお話しました。
製造技術者の力にも支えられて、鍼治療は成り立っています。
こういった視点から、より多くの方に鍼灸施術への興味を持ってもらえたら嬉しいです!
余談ですが、社会科見学的な行事って面白いですね。
年齢を重ねた今だからこそ、色んな工場見学とか行ってみたくなります。