鍼が痛くない理由①押し手で切皮痛を抑えるから

おはようございます。
武蔵野市の出張鍼灸師・藤澤です。

「慣れ」って怖いと思いませんか?

当たり前になりすぎて、「一般的な感覚」を忘れてしまうというか。

仕事でもそうですし、様々なところにあると思うんです。

刑事さんは、日頃から凄惨な現場や凶悪な人間と対峙しているでしょう。

仕事として何度も経験するうちに、慣れるはずです。

一般人の我々からすると非日常な出来事が、刑事さんにとっては日常で当たり前のことになっているという。

感覚がずれるのは当たり前ですよね。

これ、鍼灸でも同じだと思うんです。

鍼灸師にとって「人体に鍼を刺す」のは当たり前のことですが、一般的な感覚からすると非日常ですよね。

鍼灸師が「鍼は痛くない」と言っても、「痛そう…」「怖い…」と思うのは何ら不思議ではありません。

どれだけ鍼が効くとしても。
腰痛が劇的に改善するとしても。

ただ、慣れとかじゃなく、本当に痛くないんです。

今回は、鍼灸師の刺す鍼が痛くない理由の一つをお話します。

「押し手」が心地よい刺入を実現する

実際に鍼治療を受けられた方ならご存知かと思いますが、

「コンコンコン」という感じで鍼が入ります。

先生の術式や鍼の細さにもよりますが、刺入したことが気づかない時もしばしば。

この独特の心地よさを知り、クセになる方も少なくありません。

一般の方が言う「痛い」というのは、鍼を皮膚に入れる時の「切皮痛」のことを指しているんだと思います。

この切皮痛を抑える技術が、「押し手」です。

押し手とは、施術者が鍼を持つのと反対の手で、

  • 皮膚を巧みに引っ張る
  • 皮膚の上から圧をかける

ことで、患者の痛覚をコントロールする技術です。

↑自撮りしましたが、微妙ですね(笑)

私は右手に鍼を持つので、左手で押し手を作ることになります。

親指と人差指で○を作るようにして、患者の皮膚を押さえます。

予防接種の注射のように、何も抑えずに針を刺したら、そりゃ痛さを感じます。

武術の達人でもない限り、自身で痛みを調節するのは難しいでしょう(苦笑)

ただ鍼灸施術の場合、患者が切皮痛を感じない為の技術が存在します。

「押し手があるから大丈夫」

と言い切るのは強引ですが、あなたが思っている以上に鍼灸は心地よいかもしれません。

怖いものでも、痛いものでもないと言えます。

他の理由としては、「高い製造技術」もあります。

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